「地域社会フィールドワーク演習1・2」を実施しました

 地域社会フィールドワークは、地域社会に関する研究活動や実践活動に参加することで、調査方法の習得や現場を読み解くスキルを養い、地域資源マネジメントの実践的活動を人文社会科学の観点から理解することを目的とした授業です。去る11/22(日)に、その一つとして「地域環境に応じた生活様式と町並みの調査」が行われました。

 当日は前豊岡市教育委員会の松井氏をゲストスピーカーに迎え、現地を実際に見て歩きながら空間構造やその特徴を捉え、生活空間の形成プロセスを考えました。

 今回の対象地は兵庫県豊岡市竹野町。かつては北前船の寄港地として名を馳せ、港町としての特性を今なお、まちの至る所で肌に感じる竹野町は、兵庫県の最北端に位置しています。季節風の影響を強く受ける地理的条件に適応し、海岸付近には防風林が設置されていたり、玄関を北西に作らない工夫がされています。何より特徴的なのは、一軒一軒の家々が密集しているなかに群で守るというシステムが窺え、家と家の間の道もクランクのように入り組ませることにより、風が吹き抜けない構造となっていることが見て取れます。

 また、多くの家は焼き杉板を用いた技法により建築されており、その技法は今なお受け継がれていています。住宅のリノベーションや新築の際にも町並みと調和した工夫が施されていることから、地域のアイデンティティーや誇りを感じずにはいられなかったフィールドワークでした。

博士前期課程1年 田下敬介

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