10周年記念シンポジウムが開催されました

2024年に兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科は10周年を迎えました。その記念としてシンポジウム「記憶とつむぎ、未来をひらく―人と自然の共生のために―」を12月1日(日)にアールベルアンジェ豊岡で開催しました。多くの地域住民やOB・OGに参加いただき、無事に盛会で終えることができました。

シンポジウムでは三浦慎悟先生(早稲田大学名誉教授)に「動物との関係史から『共生』を考える」と題し、講演いただきました。三浦先生は800頁を越える『動物と人間―関係史の生物学』を執筆され、生態学には留まらない活躍をされています。今回の講演では、地域における動植物の搾取の歴史や、現代の管理・利用されない資源について論考を披露いただきました。なお、三浦先生の著書について、ソシオ分野の中井先生が書評を学術論文『野生復帰』の第8巻に投稿しております。よろしければ、一読ください。

パネルディスカッションでは、地域資源マネジメント研究科の理念や取り組みを振り返りつつ、今後の地域資源マネジメント研究科および地域資源マネジメント学について議論が交わされました。ソシオ分野は研究科の設置以降、人間と自然との関係を重視して、研究や社会の活動を展開してきました。今後のソシオ分野の活動では、シンポジウムのタイトルにも含まれる「つむぐ」という言葉が重要になります。「紡ぐ」は細い繊維を一本の糸に結う作業を指す動詞です。地域はジオ、エコ、ソシオが紡がれた場所と形容できますし、狭域な地域が結びつき一つの広域な地域に紡がれているとも形容できます。コウノトリの野生復帰(再導入)が順調に進み、山陰海岸ジオパークが定着する中で、ソシオ分野は地域や分野を紡ぎ、但馬地域の発展や地域資源マネジメント学の構築に貢献できればと考えています。(文責:矢ケ﨑)

パネルディスカッションの様子

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